座談会 Vol.10
2024年3月に実施した第10回目の座談会ではFast Trackの卒業生と現役参加者が語り合います。
司会:本日は、Fast Trackに参加してCOLになられたAさん、Bさん、現在Fast Trackに参加されているCさん、Dさん、そしてFast Track事務局のEさんにご参加いただいています。まずEさんから、Fast Trackについてご紹介いただけますか?
E(事務局):ラインマネージャーをしているFast Track事務局のEです。Fast Trackは、優秀な人材にいち早くGCOL (Global Clinical Operations Leader)を目指してもらうためのものです。COLになるために最長10年くらいかかるところ、4、5年でCOLやGCOLになっていただくことを想定しています。その背景には、世界に向けて日本のプレセンスをあげていきたいということがあります。Fast Trackに入ったからと言ってGCOLになることをお約束はできませんが、参加者にはトレーニングを優先的に受けてもらうなど、会社としても参加者に期待しています。私は事務局を3年やっていますが、私自身が自分のキャリアに悩んだことがあるので、悩んだ人の役に立ちたいと思っていますし、皆さんを応援したいと思っています。
司会:Fast Trackのプログラムの内容を教えていただけますか?
E(事務局): Fast Trackに参加する際、自分の強みと弱みを分析し、IDP (Individual Development Plan) を作成してもらいます。その後インダクショントレーニングを半年間に6回受けてもらいます。プランは定期的に見直ししていきますが、各自のプランに合わせて、プロジェクトのアサインやグローバルとのミーティングに参加してもらうなどしてCOLに育成されていくというのがFast Trackです。
司会:有り難うございます。それでは、現在Fast Trackに参加されているお二人と卒業生のお二方に自己紹介いただきます。
司会:Fast Trackに挑戦することを悩んだりしませんでしたか?
D(参加中):自分は基本、「NGなし」で、来た仕事は全部やるスタンスにしています。せっかくの機会なので、悩まずとりあえず挑戦することにしました。
C(参加中):入社して1年経った頃で、周囲の先輩や同期が優秀で英語もできる方が多かったので自信はありませんでしたが、GCOLになりたいという思いがあり、人より早く知識や経験を得られるのは魅力的と思いました。周りの方に相談してサポートいただけたのもすごく大きかったです。
A(卒業生):私もグローバルで活躍したいというのが根底にありました。モニターの次のステップを考えたときに、他部署の仕事も含め、何が一番自分に合うのか悩んでいました。本当にGCOLになりたいか迷いましたが、最終的になりたくなければそれはそれでいいと言われ、周りのサポートもいただけるし自分のためにもなると思い参加しました。英語は苦手ではないですが、GCOLを目指すには英語をもっと頑張らなければいけないと思っています。
B(卒業生):パレクセルに入ったきっかけは、グローバルで活躍できそうな会社と思ったからです。ただ、CRAはあまりグローバルとコミュニケーションすることがないので、もっと世界各国の人とコミュニケーションを取って仕事をしたいと思っていました。実はその頃、日本を脱出して別の国で仕事をしたいと思っており、しっかり自分のスキルを身に着けて世界で仕事をしようと思ったときに、GCOLであればどこの国でも働けると思いFast trackにチャレンジしてみようと思いました。また、当時は社会人3年目で、大学時代の友人が転職したり起業したりしてばりばり働いているなか、私はこのままでいいのかな、何か挑戦したいと思ったこともあります。
司会:Fast Trackに入るまでのプロセスを教えていただけますか?
C(参加中): Line Managerと面談し、これまでのキャリア、これからのプランなどキャリアの棚卸をするIDPを作成し、事務局との面接では、自己紹介、志望動機、キャリアプランなどの説明をしました。その後英語のアセスメント、会社の上層部の方々との面接を受けて合格することができました。
司会:どのようなGCOLになりたいと思っていますか?
D(参加中):現段階では、しっかり交渉できるCOLになりたいと思っています。というのも、プロジェクトの中には、立ち上げ期にマニュアルがない、話が進まないということがあり、施設側にも影響があるので、依頼者側とここはできる、ここはできないなどの交渉が重要ということをそのときのCOLを見てひしひしと思ったからです。
C(参加中): 私は決断力のある優しいCOLになりたいと思っています。COLが決断しないと前に進みませんし、プロジェクトの雰囲気は仕事のしやすさに直結すると思っているので、モニターとちゃんとコミュニケーションを取ってチームワークを作れるCOLでありたいと思っています。
司会:卒業生のお二人にとって、Fast Trackでは何が大変でしたか?参加してよかったと思われますか?
A(卒業生):Fast Trackで一番大変だったのはIDPの作成です。それまで何も考えずに生きてきたので、いいきっかけではありましたが、自分を見直すところは苦しかったです。ただ、作ってしまうとやることが見えてくるのでその後は楽でした。ただFast Trackに入っても通常業務がなくなるわけではないので、それとの兼ね合いも大変でした。
B(卒業生):私も、自分のキャリアを考えて文字に起こし、人に見てもらうIDPのプロセスは大変でした。また、Fast Trackに乗りながらも、乗ってていいのかという迷いもありました。COLになるために6、7年、GCOLになるために10年程かかるところを早く上がることが本当に自分にとっていいのか、周りからどう思われているかなど、常に悩みながらやっていました。振り返ると勉強にもなるし、今はFast Trackに入ってよかったと思っています。
司会:現在Fast Trackに入っているお二人から、卒業してCOLになられたお二人に聞いてみたいことはありますか?
C(参加中):Fast Trackで、実際どのようなことをされたのですか?
B(卒業生): COLの業務を一緒にやらせてもらったのがメインです。スポンサーとの会議に参加させてもらい、モニターにどのように指示として降りてきているかを知ることができました。また、それまでスタートアップやフィージビリティの経験がなかったので、QV, IV, Inspectionなど自分が経験したことの無いフェーズを優先的にアサインしてもらったりしました。
A(卒業生):私は、グローバルとのコミュニケーションのccに入れてもらったり、COLからチームあて配信するレポートの一部を任せてもらったりなどしながら、この指示はどこから来ているか、誰が意思決定したかなど見えないところを教えてもらいました。
E(事務局):今お二人がおっしゃったように、Fast Track参加者はCOLのサポートや海外のコミュニケーションに入ってもらって、自分がCOLになってチームを任されたときのための勉強や経験をしてもらいます。その中で、COLがどのような仕事か、COLになるために自分に必要なスキル、経験は何かということを皆さんに掘り下げてもらいたいと思っています。
D(参加中):Bさんがおっしゃっていたように、モニター経験浅いのにCOLになることや、対応力のあるベテランのモニターに指示を出すことに不安があります。本当に早くCOLになれるか心配です。
B(卒業生):モニター経験の長いベテランの方に指示を出すことはありますが、ロールが違うのでそこは割り切っています。ベテランの方でも経験がないイレギュラーなことはありますし、全部経験しないとCOLになれないのであればCOLになる前に人生終わってしまいます。わからないときは、「これは初めてなんですが…」と一緒に考えながら進めたり、、他のCOLや上司にも相談して進めています。
A(卒業生): Bさんがおっしゃったとおりロールが違うし、モニターから学ぶことはCOLになってもあります。リーダーだから全部知っていなければいけないとか完璧でなければいけないとは思ってません。思ってもできませんからね。自分の周囲に、モニターでも率先してチームをひっぱっている人がいましたが、自分はリーダーシップはないと思っていました。ただFast Trackに入ってからは、意識してチームに話すことはしていたと思います。
B(卒業生):私も率先していくタイプではなかったのですが、COLになったら、言いにくいことでも年上の人や先輩にも言わなければいけないです。モニター時代担当していた試験でリクルートが上手くいっていなかったので、症例登録に関するディスカッションや進捗の確認をする会のファシリテーションを担当していました。先輩も後輩もいるなか大変でしたが、今となってはいい経験だったと思います。
E(事務局): Fast Trackに参加したことが、COLになった今に生きていますか?
A(卒業生):IDPでキャリアの棚卸をしたことでわかったのは、考え方を変えることが重要ということです。こうしたいから次に何をしたらいいかというマインドができたのは、Fast Trackに入って一番よかったことと思います。モニターとして仕事をしているなかで次のステップに進みたいと思ったら、今の仕事を100点でやることのみを目標にするのでなく、次の目標に対して何をすべきか考えて行動を変えていくということですね。また、Fast Trackのおかげで皆さん優しいということを身に沁みました。私と直接関わっていないCOLさんなども助けてくれたのは、パレクセルの魅力と改めて思いました。
B(卒業生):Fast Trackに入ると人より早くCOLになる可能性が高いわけですが、そのせいで、「Fast Trackに入っているからきっと優秀な人なんだろう」と思われるなど、プレッシャーが大きくなることはわかっていました。そのプレッシャーが逆に自分の覚悟を決めることに繋がったと思います。
E(事務局):CさんとDさんの覚悟を伺いたいです。プレッシャーは感じていないですか?
D(参加中):モニターとして働くことにプラスして、この試験をどう持っていくかというCOL目線で考えるきっかけになっていますし、試験を成功させなければいけないという使命感は高まったと思います。プレッシャーはありますが、やるしかないので頑張っていこうと思います。
C(参加中):Fast Trackでは、もっと課題が与えられてああしなさい、こうしなさいと言われると思っていたのですが、何をしたいか自分で考えるので、想像以上に自主的なプロジェクと思いました。その点ではプレッシャーは感じておらず、自分のペースでやっていけると感じています。「自分がもしCOLだったら」という視点で考えるようになったので、自ずと覚悟はできていると思います。
E(事務局): 一期生のお二人から、何かアドバイスをいただけますか?
B(卒業生):自分がCOLだったらこういう風に伝えた方がいいという視点は大事と思います。モニターとして仕事をしているなかで「もしCOLだったら」の視点を蓄積していくのはすごくいいと思います。
A(卒業生):Fast Trackは色々試せる期間で、やりたいことを相談できる環境も整っているので、IDPで立てたアクションが実現できるよう、全部やらせてと言ってみるといいと思います。できるかどうかは別として、そのためにヘルプしてくれる人はいっぱいいると思います。